3年前に西双版納中を旅したときは、中・老国境地域に赴いてはこの宿に戻り、中・緬国境地域に行ってはまたこの宿に戻りを繰り返し、結局トータル10泊以上したであろう景洪郊外のモンハン(ガンランバ)にある「国超賓館」。
当時も宿泊客ながら家族のように接していただき、そんな思いもあって今回も数多モンハンには宿泊施設がありながらも何も躊躇せずこの宿に向かい、また前回以上に世話になった。
外出時にフロント前を通る度に呼び止められ、ロビーの椅子に座らせられてはお茶や果物、向日葵や南瓜の種などを供され、暇な時はフロントにあるPCをタダで使わせてもらったり、夜な夜な宿のオーナーの若い娘達や甥・姪達とダベッて過ごし、農暦元旦には親族の宴会にも参加したりもして、本当に家族同様に接してもらった。
そんな「濃い」日々を数日過ごし、広州に向かうためチェック・アウトを告げると、その時にフロントにいたみんなが「エェー!」と言うような残念がる表情を見せ僕の後ろ髪を引く。
東京からこの地に来る事の大変さは何度も皆に話したからか「再見」の台詞は無く、皆互いに「謝謝」や「不謝」を繰り返し宿を後にした。
広州に向かうにはこの宿の向かいにあるバス・ターミナルから景洪まで1時間弱。
その後景洪から寝台バスで10時間ほどで昆明に至り、また昆明から24時間の寝台列車の長旅で広州に着く。
そんな行程をどう向かおうかと思うと同時に、モンハンのこの宿で過ごした時間を回顧しながらメコン川沿いの九十九折のガタガタ道をバスで景洪に向かう事1時間弱。
景洪の「版納バス・ターミナル(短・中距離専用ターミナル)」に着き、1キロほど離れた「景洪バス・ターミナル(長距離専用ターミナル)」に徒歩で向かい昆明行きのチケットを手配する。
昆明行きのバスの発車時間は夜8時。
この時点で時間はまだ正午前。
8時間のバスの待ち時間を快適に過ごすための「賓館」をどこにしようかと考えながら宿へのチェック・インをシミュレーションしていて、モンハンで宿泊した宿に宿帳を記入する代わりに預けたパスポートを忘れた事に気付いた。
「ヤッベー!」と思いながらも、バス・ターミナルの行ったり来たりを加えても往復で3時間ほどで行き来できる距離。
「面倒くさい」よりも、図らずもまた劉家(賓館のオーナー筋)の皆に会えるかと思うとその行程は苦ではなく、急ぎ足で版納バス・ターミナルに戻りモンハンの定宿へ向かう。
モンハンに向かうバスの中では舞い戻った僕を見て皆どう言う表情をするのかなぁと想像しながら、ニヤニヤして乗っていた事だろう。
案の定、戻った宿のフロントにいた皆は僕がパスポートを忘れていった事を気にしていたらしく、驚きと帰ってきたと言う安堵の表情を見せてくれて、開口一番「広州に行くと言ってたから心配していた」と矢継ぎ早に皆がまくし立てる始末。
まぁまぁと、行ったり来たりで慌しかったのでトイレに行く暇もなく、とりあえずロビー奥にあるトイレで用を足しロビーに戻ると、そこには一杯のプーアール茶が用意されていて飲めと皆が促す。
この一杯のお茶の気遣いの何と嬉しかった事か。
そんなこんなで小1時間ほどまた皆でだべっただろうか。
その後再び宿を去ることになり、向かいにあるバス・ターミナルに行くだけなのに振り返ると、宿の皆が宿の入り口まで見送ってくれていて、後ろ髪引かれる事2倍になってしまった。
短い人生の間に2度赴く事があるのだろうかと思いながら、実際に2度赴いたガンランバ。
3度とか4度とかでは無く、確固たる僕の「死に場所」候補のひとつだな。
ここには僕の理想の家族がいるのだ。
コメント
コメント一覧 (2)
長らく旅を続けていると、このような場所が「蓄積」していきますよね。
僕にとって、その集大成はマカオだし、それ以外にもサイパンやガンランバ・ホンコンのチムシャツイ・バリ島のアメドやティブビユなどなど揚げていったらキリが無いっす。
そんな存在や場所があるからこそ、またかの地を「目的地」にしてしまうのでしょうね。