bbf5f3a6.jpgマカオに通い始めた頃は定宿が「ホテル・ロイヤル」だったが、その脇にありながら利用することも無く、初めてこの店に訪れたのは、向かい側にある市営のプールに通うようになってからだった。


午前の遅い時間から2時間ほど泳いだ後、くたくたになりながらこの店で乾いた体にビールを沁みこませ、ランチを取るのがマカオの夏の日課だった。

今の様な「開発覚めやらぬ」以前は、街中の至る所に手ごろな「ポルトガル料理屋」が点在していて、肩肘張らずに大盛りのポルトガル料理を楽しめた物だった。

ポルトガル料理と一言で括っても、そのメニューにあるものは日本の定食屋と差ほど変わりなく、「ポルトガル料理」なのか「中華料理」なのか、はたまた「日本料理」っぽい物も中にはあったし、この新得勝馬路珈琲美食には日本語メニュー(結構怪しい表記)もあった程だ。

それでも牛タンを使った料理などは、グルマンの僕でもさすがにプールで2時間も泳いだ後では、一人前をやっと食べきるほどのボリュームがあったのは否めない。

連れ立って行った後輩などは、あまりのボリュームに自分の分の牛タンを半分ほど僕の皿に乗っける始末。

(一人前がリアルに牛タン2分の1頭分はある程で、ワン・スライス1.5センチほどの厚さがあった。)

この店を知るまでは、ポルトガル料理など食べたことも無かったほどだったが、この店で過ごした濃密な時間と共に、今や一端の「ポルトガル料理評論家」ほどの知識と味覚を兼ね備えたのは言うまでも無い。

この店や、定宿近くの「大街」亡き後、今現在の僕のマカオでの昼飯はもっぱら「タイ料理」にシフトしてしまっている。

(とは言っても、頼むのは「カオ・マンガイ」ばっかりだが。)