今までマカオの至る所で賓館小姐のお世話になり、出会った小姐は優に何百人所ではないだろう。一度のみの、本当に「遊び」だけの小姐もいたし、何年来と付き合いのある小姐もいる。
長らく賓館小姐を続ける理由は色々あるのだろうが、中国本土の絶望的な農村地区から来て、エキゾチックな街並みのマカオに暮らす事になり、それなりに（籠の鳥ながらも）この街にいることが誇らしげな部分も無きにしも非ずでは無いかと思う。
貧農で暮らしていたときには、憧れながらも経験できなかった多くのことがこの街では当たり前にできる満足感の様なものがある気がしてならない。
雑誌やテレビで見るだけだった「おしゃれ」や、年に何回あるか無いかの「外食」が日々当たり前にできる事やら、（高性能の）携帯電話を持つ事や、同じ年頃の似たような境遇の子たちとのおしゃべりに明け暮れる合宿の様な日々やら。
彼女達の背後にあるものは、覆い切れないほどの絶望的な物なのだろうが、一度踏み入れたからには悲観するだけでは解決にならない日々なのだろう。
一見、あっけらかんと仕事をこなしているように見える彼女達だが、ここに至るまでの心の中の葛藤を感じ無くはいられない。
彼女達と同じ目線で暮らし、偏見を持たずに普通の女の子として優しく接し、時には恋愛対象として接する事ができるのは、僕自身が多くの国で同じような境遇の女の子達と接してきた経験があるからなのだろうが。
（でも博愛主義者では無いので、いくら「おしん」の様な境遇の話をされても、好みじゃない小姐には優しくできないですが何か。）
（写真はイメージです。）
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