218f37ee.JPGアジアを中心に旅する者にとって「バイブル」でもあり、「必ず通る道」と言っても過言ではない小説「深夜特急」。

この私小説の原案となった物を映画化した「ミッドナイト・エクスプレス」もそれ以前にすでに観ていて、その根底にある人間の闇を描いた部分には、須らく共感できるものがあり(小説「深夜特急」と映画「ミッドナイト・エクスプレス」は別物で、小説はインドのデリーからロンドンまで乗り合いバスで行く話で、映画の方はトルコでの監獄内での話)、小説は第一巻などは一冊目がぼろぼろになり、買い換えるほど読み込んだし、映画も今まで優に30回以上は見ているはず。

その小説の第一巻(香港・マカオ編)の香港での滞在の記述の中で、スター・フェリーに乗ってアイスクリームをほおばる「60セントの豪華な航海」と書かれたシーンがある。

この小説の時代背景は1970年代だと思われるが、今同じ事をすると10ドル近くかかってしまうのだが、それでも高々日本円で¥160。 

感覚的には同じようなものだと思う。

そんなシーンを真似てみたり。

また、真似てるわけではないのだが、廟街のマーケットを散策したり、宿に出入りする女性と仲良くなって連れ立ったりと、何か同じ事を同じ波長でしてしまっている自分がそこにいたりする。

40年近い隔たりがありながらも、現在において、同じことができてしまう「環境」や「状況」が未だに香港の下町風情にはあるのかと、再確認してしまうのだ。

作者・沢木耕太郎が20台後半でしていたことを、今現在の自分がすること自体20歳程の隔たりもあるのだが。

それを実現できるのは、時代か、僕の精神的な若さか否か、または何かか。