初めて訪れた当時の「關閘」は、まだマカオがポルトガルの領土だったため、れっきとした国境として機能していて、關閘の門自体は今と同じように「見世物」と化してはいたがその位置は今と違い、マカオ最北端に位置するように設えられていた。珠海側の口岸（国境）も、今現在のものとは比べ物にならないほど質素で、マカオから入国すると入国ゲートの目の前に普通に商店街があり（今より小規模）、何かほんのりさせられる光景が広がっていた。
マカオの中国への出国地点である關閘の建物も、入り口が平屋造りの、日本の地方郵便局のような造りで、そこが出入国地点と知らなければ素通りしてしまうかのようなプリティーなものだった。
現在は大々的に改装されて、何かのスタジアムかと見まがうような建物になっている。
１９９５年当時は、關閘からの中国入国も今ほど盛んではなく、マカオの出国や珠海の入国審査でもせいぜい４〜５人がひとつのレーンに並ぶ程度で、そのレーン自体も２〜３列程しかなかった記憶がある。
中国本土の「自由行」も始まっていなく、本土からマカオに来る人も、政府の関係者かマカオに親戚がいる本土人、その他少々で、今の關閘の状態から比較すると隔世の感がある。
そういえば、出入境の建物の前には昔ながらの郵便用の「赤ポスト」がど真ん中に置かれていて、それがよりいっそう地方郵便局然としていたのだった。
オヤジの独り言でしかないのだが、「あのころが懐かしい」。
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